ビゼー/《カルメン》組曲

歌劇『カルメン』は、フランスの作家メリメが残した小説『カルメン』を基にした全4幕のオペラである。

主な登場人物は、

カルメン:たばこ工場で働く妖艶なジプシー娘(メゾソプラノ)

ドン・ホセ:身分は衛兵、職位は伍長(テノール)

エスカミーリォ:闘牛士(原作ではリュカスという名、バリトン)

ミカエラ:ドン・ホセの許嫁(原作には登場しない、ソプラノ)

オペラのストーリーを簡単に説明すると、

〔第1幕〕

舞台はセビリア。たばこ工場から出てきた女工たちの中にカルメンがいる。カルメンは、彼女を出待ちしていた男性たちに言い寄られるが、興味がない様子。

衛兵交代で職務に就いたドン・ホセのもとに、ミカエラが故郷からやってくる。再会を喜んだホセは、母からの手紙を読み、ミカエラと結婚することを決心する。

広場に女工さんたちが戻ってくると喧嘩が始まり、辺りは騒然となる。加害者として逮捕されたカルメンはホセを誘惑する。すっかり惚れ込んでしまったホセは、護送中にカルメンの“お縄”を解き、逃がしてしまう。

〔第2幕〕

酒場では、カルメンたちジプシーの娘が踊りに酔いしれている。そこへエスカミーリォが英雄気取りで登場する。その雄姿にカルメンは心を奪われた。エスカミーリォも同様であった。

エスカミーリォが去った後、ホセが現れる。カルメンは「愛しているなら、自由がある山(密輸団のアジト)へ一緒に行こう」と誘う。ホセは最初は断るが、上司(衛兵隊長)とのいさかいから、結局は密輸団の一味となってしまう。

〔第3幕〕

山のアジトではホセが、密輸団の仲間たちが見回りのために外出している留守を警備している。そこにミカエラがやってくる。なんとか更生してほしいとミカエラが懇願しても、ホセは聞く耳を持たない。そこへカルメンを探してエスカミーリォが現れる。ホセは、エスカミーリォもカルメンを愛していることを知り、戻ってきたカルメンを問いただすが、すでにカルメンのホセへの気持ちは冷めていたのである。

〔第4幕〕

闘牛場では群衆がエスカミーリォを大歓声で迎えている。彼はカルメンと愛を語り合う。

皆が闘牛場に入場すると、一人残ったカルメンのもとに、人ごみに隠れていたホセが歩み寄る。復縁を迫るホセに対してカルメンは「生きようが死のうが、あんたの言いなりにはならない!」と突っぱねる。逆上したホセがカルメンをナイフで刺殺してしまう。という後味の悪い内容である。

本日は、そのオペラから、オーストリアの音楽学者ホフマンが演奏会用に編纂した2つの組曲から抜粋して演奏する。なお、国分寺フィルハーモニー管弦楽団ではオペラやバレエの組曲を演奏する際、ストーリー順に並べなおしてプログラムを組むことが多いが、本日は組曲の順番で演奏する。



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