スメタナ/歌劇《売られた花嫁》序曲

作曲者のベドルジフ・スメタナ(Bedřich Smetana)は、1824年3月2日ボヘミア地方の中心都市プラハの東に位置するリトミシュルで生まれた、チェコの作曲家、指揮者、ピアニストである。音楽のキャリアは「作曲もできるピアニスト」としてスタートした。チェコでの評判は良くなかったが、スウェーデンにおいて行ったコンサートで大絶賛され、指揮者としてのキャリアもスタートさせた。

しかし祖国への思いが強くなりプラハへ戻ると歌劇場の建設が始まっていた。これがスメタナに歌劇を作曲させる機会を与えた。

本日演奏する《売られた花嫁》は、完成した8曲の歌劇のうちの第2作目である。喜劇(ブッファ)に分類される《売られた花嫁》のあらすじは・・・

舞台はボヘミアの農村

主な登場人物は、村娘のマルジェンカ、出生の知れない若者のイェニーク、村の大富豪のミーハ、その息子のヴァシェク、結婚仲介人のケツァルである。

マルジェンカとイェニークは、結婚を前提としたお付き合いをしている。イェニークがマルジェンカの家にぃ行くと両親からは「素性のわからない輩に娘は嫁がせない!」と結婚を反対された。それを知ったケツァルは、マルジェンカの両親に村の大富豪ミーハの息子ヴァシェクを紹介した。嫁ぎ先としては願ったり叶ったりで、彼らは諸手を挙げての大賛成である。

ところがマルジェンカにとっては、結婚相手はイェニーク以外には考えられない。そこでケツァルはイェニークに対して大金を渡すからマルジェンカとヴァシェクが結婚できるような誓約書を書くように依頼した。そしてイェニークは金銭を受け取って『マルジェンカの結婚相手はミーハの息子たる者のみ』と記した。それを見たマルジェンカは驚愕し「私は売られた!」と大騒ぎである。